公立高校でも私立高校でも、学校によってそれぞれ学力のレベルが異なります。高校を選ぶ際、実際に入試で合格することができるのか、入学後勉強についていけるのかといった点で、各高校の難易度が自分の学力と合っているかどうかは高校選びの重要なポイントになってきます。
高校受験の一般入試では、その高校の入学試験当日の得点順に合否が決められます。つまり、決められた得点以上の人が全員合格するのでなく、得点の上位から決められた分だけの受験者を合格にする方法です。ですから、自分が志望する高校の受験生の中で、自分がどのあたりの成績であるかを知ることが必要になってきます。
他の人と自分の成績をくらべる方法はいくつかあります。まずあげられるのが『得点』です。しかし、得点は問題の難しさによって違ってきます。表を見てください。得点だけで見ると1回目の方が高得点です。しかし平均点を比べると2回目の方が成績(順位)がよかったことになります。
でも、平均点が分かっても、それだけでは、自分が全体で何番目くらいの成績かよく分かりません。このように得点は問題の難しさに左右されますから、順位はもちろん、学力の推移(だんだん良くなってきているとか、下がってきている)もうまくつかめません。また科目が違うと、得点では成績の高い、低いを比較することができません。
1回目 | 2回目 | |
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得点 | 70点 | 60点 |
平均点 | 70点 | 55点 |
では、テストの順位はどうでしょう。順位が分かれば自分の位置が一目で分かります。しかし、順位で自分の位置を知るためには、同じ高校を志望する受験者全員が、テストのたびに集まらなければなりません。高校入試は広範囲から500~3000人の受験生が集まるものです。毎回これだけの人数を実際に集めてテストをすることは不可能ですから、順位で志望校の合否を判定することはできません。
テストの問題の難しさ・やさしさ(平均点の高い・低い)にも左右されず、テストの参加人数にも左右されず、常に自分の学力位置をつかめ、自分の学力の推移がつかめる『便利なモノサシ』、これが偏差値です。
偏差値の出し方を簡単に言うと…
テストの平均点を偏差値50として、平均点より高くなるにつれて、51・52・53…と上がり、最高で75あたりです。平均点より低くなるにつれて、49・48・47…と下がり最低で25あたりとなります。この偏差値25~75の間に大部分の人(99%)が含まれます。
でも、偏差値55とか60とかいう数字から、どうして自分の成績の位置が分かるのか不思議に思うでしょう。右の表を見てください。偏差値ごとの上位からの人数分布(パーセント)は決まっているのです。たとえば偏差値55ならば100人中で約31番目の成績だと分かりますね。
偏差値は常に自分の成績の位置をつかめる便利なモノサシです。『5科偏差値』は5教科(国・数・英・社・理)の成績の位置を表します。『3科偏差値』は3教科(国・数・英)の成績の位置を表します。問題の難しさや易しさで得点が違っても、偏差値による評価の基準は変わりありません。
このように偏差値は、自分の成績の位置を知るための便利なモノサシですが、次の点に注意してください。
偏差値は±3の幅をもたせてください。
偏差値55だったとすれば、±3の範囲、つまり偏差値52~58が実力範囲だと考えてください。
高校の合格基準に用いられるのも偏差値です。Vもぎと高校情報ステーションの合格基準偏差値は、合格率60%の位置(同じ偏差値の人が10人受験したら6人合格するという意味)を示しています。志望校に合格できるかどうか、客観的ではっきりとした資料となるのも偏差値です。Vもぎ結果の偏差値と高校の合格基準偏差値を照らし合わせて、志望校・受験校を探して下さい。
次は、自分の偏差値を知ろう